大腸ポリープ

大腸ポリープ

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは

大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる「いぼ状の隆起性病変」の総称です。多くは良性ですが、一部のポリープは時間の経過とともに大腸がんへ進行する可能性があります。

大腸がんの多くは、「腺腫(せんしゅ)」と呼ばれるポリープが徐々に大きくなり、数年から十数年をかけてがん化する「adenoma-carcinoma sequence(腺腫-癌連鎖/腺腫-癌経路)」という過程を経て発生すると考えられています。

つまり、大腸ポリープの段階で発見し、適切に切除することで、大腸がんそのものを予防できる可能性があります。

「早期発見」ではなく、「がんになる前に予防できる」こと。

これが、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)が他のがん検診と大きく異なる特徴です。

神戸市中央区・三宮のとよだ内科・内視鏡クリニックでは、2025年度に大腸カメラ検査を受けられた方の66%にポリープを含む何らかの病変が認められました。

大腸ポリープは決して珍しいものではなく、特に40歳を過ぎると頻度が高くなります。しかし、適切なタイミングで検査を受けることで、大腸がんの予防につなげることができます。

大腸ポリープの症状

大腸ポリープの最も大きな特徴は、ほとんどの場合、自覚症状がないことです。

「症状がないから大丈夫」と考えてしまいがちですが、実際には無症状のまま徐々に大きくなるケースが少なくありません。

ポリープが大きくなると、以下のような症状がみられることがあります。

  • 便に血が混じる
  • 排便時に出血する
  • 便潜血検査で陽性を指摘された
  • 便が細くなった
  • 排便後も便が残っている感じがする
  • 便秘や下痢など便通の変化が続く
  • お腹の張りや腹部違和感がある
  • 原因不明の貧血を指摘された

ただし、これらの症状が現れる頃には、ポリープが大きくなっている場合や、すでにがん化している可能性もあります。

症状が出てからではなく、症状のない段階で検査を受けることが、大腸がん予防への第一歩です。

大腸ポリープの原因とリスク要因

大腸ポリープの発生には、加齢や遺伝的要因に加え、生活習慣も深く関与していることが知られています。

生活習慣に関わるリスク

以下のような生活習慣は、大腸ポリープや大腸がんのリスクを高めるとされています。

  • 赤身肉・加工肉を中心とした高脂肪食
  • 野菜や食物繊維の摂取不足
  • 運動不足
  • 肥満
  • 喫煙
  • 過度の飲酒

生活習慣の改善は予防につながりますが、完全に防ぐことは難しいため、定期的な検査が重要です。

年齢と家族歴

大腸ポリープは40歳頃から増加し、50歳以上ではさらに頻度が高くなります。

また、以下に該当する方は、大腸ポリープや大腸がんのリスクが高いことが知られています。

  • 血縁者に大腸がんの方がいる
  • 血縁者に大腸ポリープを切除した方がいる
  • ご自身が過去に大腸ポリープを切除したことがある
  • 潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患がある

一方で、若い世代でもポリープが見つかることは決して珍しくありません。

当院では、20〜30代の方でも約3人に1人にポリープが認められています。

年齢だけで判断せず、血便や便潜血陽性などの症状がある場合には、早めの大腸カメラ検査をご検討ください。

大腸ポリープの種類

大腸ポリープは、大きく「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」に分類されます。

腫瘍性ポリープ(腺腫・SSL)

将来的に大腸がんへ進行する可能性のあるポリープです。

腫瘍性ポリープは、現時点では良性であっても、時間の経過とともに大腸がんへ進行する可能性があるため、見つかった場合は切除を検討します。

代表的なものは「腺腫(せんしゅ)」で、大腸ポリープの中で最も多くみられるタイプです。

また近年では、「SSL(Sessile Serrated Lesion:鋸歯状病変)」と呼ばれるポリープも、大腸がんの原因となることが分かってきました。SSLは平坦で見つけにくく、特に大腸の奥(右側結腸)にできやすいため、丁寧な観察が重要です。

特に次のようなポリープは、将来的ながん化リスクが高くなるため、切除が推奨されます。

  • 大きさが大きいもの
  • 数が多いもの
  • 組織検査でがん化しやすい特徴が認められるもの

大腸がんの多くは、このような腫瘍性ポリープを経て発生すると考えられています。そのため、大腸カメラでポリープの段階で発見・切除することは、「がんを早期に見つける」だけでなく、将来の大腸がんそのものを予防できるという大きなメリットがあります。

非腫瘍性ポリープ

一般的には、がん化する可能性が低いポリープです。

非腫瘍性ポリープには、過形成性ポリープや炎症性ポリープなどがあります。これらは通常、大腸がんになる可能性が低く、小さく典型的なものであれば切除せずに経過観察となることが少なくありません。

一方で、見た目だけでは腫瘍性ポリープとの区別が難しい場合や、できた部位・大きさ・形状によっては、詳しい検査や切除をおすすめすることがあります。

そのため、大腸カメラではポリープを見つけるだけでなく、拡大観察や特殊光観察などを用いてポリープの性質を慎重に見極め、一人ひとりに適した対応を判断することが大切です。

当院では、内視鏡専門医がポリープの特徴を丁寧に評価し、「切除した方がよいもの」と「経過観察でよいもの」を適切に判断しています。

大腸ポリープの検査

大腸ポリープを見つけるために最も信頼性の高い検査は、大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)です。

便潜血検査は出血している病変を見つけるための有用な検査ですが、すべてのポリープを発見できるわけではありません。

大腸カメラ検査では、大腸全体を直接観察し、その場でポリープの診断や切除まで行うことが可能です。

当院では、

  • 消化器内視鏡専門医による丁寧な観察
  • LCI(Linked Color Imaging)による画像強調を用いた微細病変の視認性向上
  • 拡大内視鏡による詳細な観察・質的診断
  • AI診断支援システムによる病変検出補助・ダブルチェック

を組み合わせ、平坦で見つけにくい病変も含めた質の高い内視鏡診療を心がけています。

特に、SSLのような見逃されやすい病変の発見にも力を入れています。

大腸ポリープの治療

大腸カメラ検査でポリープが見つかった場合、多くはその場で日帰り切除が可能です。

ポリープを切除することで、大腸がんへの進行を未然に防ぐことが期待できます。

切除した組織は病理専門医による病理検査を行い、

  • 良性か悪性か
  • 完全に切除できているか
  • 今後の経過観察が必要か

を詳しく評価します。

当院では、主に10~20mm程度までのポリープの日帰り切除に対応しております。
20mmを超える病変や、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)による一括での切除が必要と判断される場合には、神戸大学病院・神戸市立医療センター中央市民病院・薫風会佐野病院をはじめとした高度医療機関と連携し、適切な治療をご案内いたします。

大腸ポリープの経過観察

ポリープ切除後の次回検査時期は、

  • ポリープの数
  • 大きさ
  • 病理検査の結果
  • ご家族の病歴

などを総合的に判断して決定します。

一般的には、1~5年後の再検査が推奨されます。

また、大腸カメラ検査で異常が認められなかった場合には、毎年検査を受ける必要はありません。通常は3~5年ごとの定期検査が目安となります。

一度しっかりと大腸全体を評価し、「異常がない」ことを確認しておくことで、その後も安心して経過をみることができます。

大腸ポリープは、早期に発見して切除することで、大腸がんを予防できる病気です。

「症状がないから大丈夫」ではなく、

  • 40歳を過ぎた方
  • 便潜血陽性を指摘された方
  • 血便や便通異常がある方
  • ご家族に大腸がんの方がいる方

は、一度大腸カメラ検査をご検討ください。

とよだ内科・内視鏡クリニックでは、「つらくない検査」と「見逃さない内視鏡」を通じて、大腸がんで悲しむ方を一人でも減らすことを目指しています。

院長からのメッセージ

「大腸がんで命を落とす方を、一人でも減らしたい。」

これが、私たちが日々内視鏡診療に取り組む原点です。

大腸がんは、数少ない「予防できるがん」です。ポリープの段階で発見・切除することで、将来がんになるリスクを減らせる可能性があります。

だからこそ、「怖いから受けない」という方を一人でも減らしたい。そのために当院では、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査と、病変を見逃さない質の高い観察に徹底してこだわっています。

大腸カメラは、「怖い検査」ではなく、「未来を守る検査」です。

「受けてよかった」と心から思っていただける内視鏡診療を通して、大腸がんで悲しむ方を一人でも減らすことが、私たちの願いです。